イジメ返し―連鎖する復讐―
まるで自分だけ時が止まったかのように動くことができない。

あたしだけを抜け者にして部のみんながワイワイと楽しそうに言葉を交わしている。

どうして。なんで?

なんであたしじゃないの?どうしてあたしじゃダメなの?

誰よりも努力したのに……。

手が震える。自分はレギュラーから漏れたのだという現実が襲ってくる。

あんなに必死になって練習をしたというのに先生とおしゃべりに夢中になり練習をさぼっていた瑠偉が選ばれた……?

2か月も休んだのに。膝の痛みはもうないの?完全復活したの?

ううん、そもそも本当に膝が痛かったの?

ただ練習がサボりたかっただけじゃないの?

「よーし、気合を入れ直して練習を再開するぞ!!」

先生の言葉に、部員たちが「はいっ!!」と大きな声で返事をする。

いまだ放心状態のあたしを取り残して、みんなはコートに駆けて行った。
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