イジメ返し―連鎖する復讐―
「――折原先生!!」

部活が終わると、あたしは職員室へ向かって歩いていた先生を大声で呼び止めた。

体育館からも距離もあるこの場所なら部員に聞かれる心配はない。

「なんだ、深山か。どうした」

先生はほんの少しだけ眉をしかめた。

「どうして練習試合のメンバーにあたしが漏れたのか知りたいんです」

「それを聞きたくて追いかけてきたのか?」

「はい。あたし、桜南高校との練習試合すごく楽しみにしていて。それで、今まで以上に練習もしてて。だから、メンバーに選ばれなかったのがショックで……」

しどろもどろになりながらあたしは言葉を続けた。

とにかく、どうして自分がメンバーから漏れたのかその理由が知りたかった。

それを知ることができれば、次の大会や練習試合、それに最後の引退試合にも生かせると思ったからだ。

すると、先生はキョロキョロと周りを見渡して言った。

「ここじゃあれだ。ちょっと、こっちに来てくれ」

先生はそう言うと、人気のない裏庭にあたしを連れてきた。
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