イジメ返し―連鎖する復讐―
「じゃ、あとよろしく」

ノエルはそう言うと、体育館の隅に座り込みタオルで汗を拭いながら手持ちの扇風機を顔の近くにかざした。

ノエルの校則違反の茶色い前髪がふわふわと揺れる。

他の3年もノエルにつられてそばに座り込み、帰りの支度を始めた。

「あっちー、マジ疲れたんだけど。なんか甘い物食べ行きたい」

「いいね!ノエルは何食べたい?」

「ドーナツ」

「じゃ、帰り食べに行こうよ!」

常にノエルのそばに引っ付いているのは長島海荷(ながしまうみか)だ。

自分の意見はほとんど言わず常にノエルに合わせてご機嫌を伺っている。

「ねぇ、ノエル」

あたしはノエルに声をかけた。
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