イジメ返し―連鎖する復讐―
「貴重な練習時間を無駄にして悪かった!よしっ、練習しよう!!明日は何としてでも勝つぞ!!」

「はいっ!!!」

先生の言葉に気合を入れ直した様子の部員たち。

暗い顔をしているのはあたしだけだ。

練習が始まってからも胃がじくじくと痛んで座り込んでしまいそうになる。

それでも必死に自分を奮い立たせて練習した。

どんなに今必死になって練習したとしても明日あたしが試合に出られる可能性はないのに……。

「ハァ……」

今までこんなにも卑屈な考えになることはなかったのに。

正直、まだ先生の偽りの言葉や周りからの冷たく痛い視線や言葉が頭から消えていなかった。

悶々とした気持ちが募る。

こんな風に落ち込んだのは初めてかもしれない。

「よしっ、10分休憩!!」

先生の掛け声とともに学年ごとに別れて体育館の隅で休憩を取る。

あたしはトボトボと3年のいる方へ歩み寄った。
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