イジメ返し―連鎖する復讐―
すでに輪になって座っていたノエルたちのそばに腰かけようとすると、ノエルがくるりと振り返った。

「こっちくんなよ」

「え……?」

「アンタ、自分のことしか考えてないんだね」

ノエルはそう言うと、床に置いてあったあたしのボトルを遠くへ放り投げた。

ゴロゴロと転がっていくあたしのボトル。

「なにするの!」

「ハァ?アンタが悪いんじゃん。裏でコソコソ先生に直談判とかよくやるよね。マジ最悪」

「それは違う!先生にあたしは瑠偉のことなんて――」

「アンタの話なんて聞きたくねーし!!つーか、うちらみんな同じ気持ちだから。ねっ?」

ノエルの言葉に他の3年が頷く。

でも、たった一人瑠偉だけは心配そうにあたしを見つめた。

「みんな、ちょっと待ってよぉ。咲綾、ごめん。確かにあたしずっと休んでたし、不公平だって思う気持ちはわかるよ。だけど、先生のことを悪く言うのはやめて」

「え……?」

「先生はあたしたちの為に一生懸命やってくれてるよね??そんな先生のこと、変態教師なんて……さすがにひどいよぉ」

「だって先生が……」

ギュッと唇を噛む。

みんなは知らない。だから、先生のことをかばうんだ。

あたしの立場になったら絶対に先生のことをかばおうなんて思わないはず。
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