イジメ返し―連鎖する復讐―

練習のあと、先生を取り囲み明日の予定を聞く。

「明日の練習試合は各自時間までに現地に向かうように。レギュラーの5人は俺の車で送迎するから学校に集合な」

……え?先生の言葉に唖然とする。

レギュラーの5人っていうことはあたしだけ乗せていってもらえないということ……?

まさか、ね。あたしだけ乗れないなんて……。

だって先生の車7人乗りだし。

「えー、先生送迎してくれるの!?」

「今回は瑠偉の膝を休ませるためだ。特別だぞ」

「マジ~?やったぁ~!」

大喜びのノエルの隣にいた瑠偉が言いずらそうに口を開く。

「センセ。でも、センセの車7人乗りだし、咲綾も乗せていってあげたほうがいいじゃないですかぁ??」

瑠偉のフォローに希望が生まれる。

自分で口にしずらいけど、誰かが言ってくれるなら……。

「荷物もあるし深山は無理だ。深山は自力で現地に向かうように。以上だ。解散!!」

「ありがとうございました!!」

先生の言葉を合図に一斉に頭を下げる部員たち。

あたしだけ……自力で現地に?

やりきれない思いが全身に込み上げてくる。

困惑しながら先生の後姿を見つめていると、「ざまー」と隣で声がした。
< 38 / 252 >

この作品をシェア

pagetop