イジメ返し―連鎖する復讐―
練習のあと、先生を取り囲み明日の予定を聞く。
「明日の練習試合は各自時間までに現地に向かうように。レギュラーの5人は俺の車で送迎するから学校に集合な」
……え?先生の言葉に唖然とする。
レギュラーの5人っていうことはあたしだけ乗せていってもらえないということ……?
まさか、ね。あたしだけ乗れないなんて……。
だって先生の車7人乗りだし。
「えー、先生送迎してくれるの!?」
「今回は瑠偉の膝を休ませるためだ。特別だぞ」
「マジ~?やったぁ~!」
大喜びのノエルの隣にいた瑠偉が言いずらそうに口を開く。
「センセ。でも、センセの車7人乗りだし、咲綾も乗せていってあげたほうがいいじゃないですかぁ??」
瑠偉のフォローに希望が生まれる。
自分で口にしずらいけど、誰かが言ってくれるなら……。
「荷物もあるし深山は無理だ。深山は自力で現地に向かうように。以上だ。解散!!」
「ありがとうございました!!」
先生の言葉を合図に一斉に頭を下げる部員たち。
あたしだけ……自力で現地に?
やりきれない思いが全身に込み上げてくる。
困惑しながら先生の後姿を見つめていると、「ざまー」と隣で声がした。