イジメ返し―連鎖する復讐―
「遅くなりました！！」

肩で息をしながら体育館に入ると、すでにウォーミングアップを終えていた部員たちが冷めた目であたしを見つめた。

その隣にいた折原先生は怒りから目を吊り上げた。

「深山！！どうして遅刻した！！レギュラーに選ばれなかったからか！？お前のやる気はそんなものか！？」

「すみません……！！」

怒鳴りつけられ素直に頭を下げて謝る。

「先輩が遅刻するなんて後輩たちに示しがつかないだろう！！お前は今日反省として全ての雑用をやれ！！１、２年にやらせるなよ！？お前がやるんだ。いいな！？」

「……はい」

ギュッと唇を噛みしめるあたしのことを見てノエルたちがクスクス笑っていた。


桜南高校との試合が始まってからもあたしはベンチ入りすることはおろか試合を観戦することすらできずにいた。

先生から頼まれた雑用をこなしていたからだ。

そのとき、１年生の後輩があたしのそばを通りかかった。

「ねぇ」

声をかけると１年は気まずそうな表情であたしを見つめた。
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