イジメ返し―連鎖する復讐―
試合が終わった。
それぞれ相手の学校の顧問に挨拶をした後、5人はキャッキャとはしゃぎはじめた。
「やったねっ!!」
「やっぱ瑠偉がいたからだよね!!」
「うん!!桜南に勝つとかマジうちらすごくない!?」
あたしがせっせと雑用をこなしている間に、うちのチームは格上の桜南高校から勝利をもぎとっていた。
僅差ながらも桜南高校に勝ってテンションの上がっているメンバーたち。
その輪の真ん中にいた瑠偉はふわりと笑う。
「瑠偉だけの力じゃないよ。みんなの力でも勝ち取った勝利だもん」
優等生な回答に気をよくしたメンバーたちがワイワイと瑠偉をもてはやす。
そのとき、ノエルと目が合った。
「誰かさんがレギュラーに選ばれなくてホントよかったぁ~。こないだなんて同等かそれ以下ぐらいのチームに負けたしね。やっぱアイツじゃダメだよ」
「だよねぇ~!これからは雑用やってもらえばよくない?」
ノエルに続いてあたしに聞こえるように言う海荷。
あたしは大きく深呼吸した。
このままじゃダメだ。みんなとちゃんと話をしないと。
それに、チームが勝ったのは喜ばしいこと。
こんな暗い顔をしていてはいけない。
あたしは必死に自分を奮い立たせて3年のみんなのもとに歩み寄った。