イジメ返し―連鎖する復讐―
結局、この日3年の誰とも言葉を交わすことなく部活を終えた。

みんな示し合わせたようにあたしを無視していないものとして扱う。

お昼を食べるのも5人、休憩を取るのも5人、輪になっておしゃべりするのも5人。

あたしの居場所はどこにもない。

ただ、黙って5人のそばに座っているだけ。

端から見てもあたしがハブられているというのは一目瞭然だろう。

相手チームの桜南高校の選手からは哀れみと同情の目を向けられた。

でも、一番辛かったのは後輩からの視線だ。

後輩たちはあたしがみんなにハブられて無視されているのを知っている。

昨日の先生の嘘の発言のせいで、あたしは後輩たちからも白い目で見られてしまっている。

この日が初めてだった。

中学からバスケを続けてきて、初めてこの日部活を辞めたいと思った。

逃げたい。この状況から、この場所から、この人たちから。

全部捨てて逃げてしまいたいと強く思った。
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