イジメ返し―連鎖する復讐―
家に帰って自分の部屋に入るとようやく心が落ち着いた。

雑用ばっかりやらされて体もそれなりに疲れていたけど、なにより心が疲れ果てて弱っていた。

ベッドにダイブするように横になる。

目をつぶると、みんなの冷ややかな視線を思い出して胸が苦しくなり叫び出しそうになる。

今頃みんなは何をしているんだろうか。

先生におごってもらったアイスでも食べて楽しそうに笑っているのかもしれない。

「どうして……」

どうしてあたしはみんなの輪の中にいられなくなってしまったんだろうか。

今までケンカしたりもめたりしたことはあったけど、こんな風に露骨に無視されたりハブられたりすることはなかったのに。

これは間違いなくイジメだ。

部活内イジメ。

ノエルが先導してあたしをイジメて、他の4人もそれを楽しんでいる。

ううん、違う。5人だけじゃない。

折原先生もあたしへのイジメを助長しようとしている。

先生の放った嘘の言葉によってあたしは窮地に立たされ、みんなに誤解され、ハブられてしまったのだ。

「月曜日……休んじゃおうかな……」

明日は日曜日で一日オフ。でも、月曜日からはまた部活がはじまる。

病院にいくとか、用事がある、とか。なんでもいいからそれらしい理由をつけて休む……?

でも休めばさらにみんなとの溝が広がってしまうかもしれない。

あたしには選択肢などなかった。
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