イジメ返し―連鎖する復讐―
あの日から部活に行こうすると吐き気が込み上げてくるようになってしまった。
体調は悪くないのに、胃の奥がムカムカと痛み胃液が喉の近くまでせりあがってくる。
食欲がなくなって体重も3キロ落ちた。
何に対してもやる気が出せず、常にぼんやりとして無気力になる。
そして、なぜか指の皮をむいてしまう症状に襲われた。
気付けば皮膚をむしってしまっている。
特に、部活中ひとりでいるとき。
止めたいと思っても止められない。
衝動的にやってしまうこの行動を抑制できない。
「アイツ、また指むしってんだけど」
「マジで~?きもー」
ノエルと海荷の恒例の悪口が始まった。
あたしは言い返すことやイジメに抗うことを諦めるようになっていった。
抵抗すればするほど、ノエルたちはあたしを更に苦しめようとあれこれ仕掛けてくる。
だったら、このまま黙って大人しく我慢していた方がましだ。