イジメ返し―連鎖する復讐―

深夜の１時。

両親が寝静まった後あたしは吐しゃ物で汚れてしまった衣類を洗濯機にかけ、乾燥までしてから再びベッドに戻った。

真っ暗な部屋のベッドの上で横になりながら、再び指の皮をむく。

もう皮はほとんどなくなってしまっている。

寝返りを打つと踏みつけられた腹部が痛んだ。

明日は部活を休もうか……？でも、休んでノエルや瑠偉の機嫌を損ねてまた暴力を振るわれたらどうしよう。

あたしはこれからどうしたらいいんだろう。

部活引退まであと少し。

そのあと少しの期間、あたしの精神は耐えられるんだろうか。

頭痛と耳鳴りがしてあたしはぎゅっと目をつぶった。

ノエルと瑠偉があたしを見下すように睨み付けている。

「やめて、お願いだから。お願いだからやめて……」

眠ることなんてできない。目をつぶればノエルたちが現れる。

この日、あたしは一睡もせずに学校へ向かった。