イジメ返し―連鎖する復讐―
口元を押さえる指の隙間から勢いよく吐しゃ物が溢れ出した。

「うわあああーー!!!」

あたしに足を引っかけた男子が教室の壁を揺らす勢いで野太い悲鳴を上げて後ずさる。

教室中の視線がこちらに向いた。

一度溢れてしまった以上、抑えることは不可能だった。

今朝、無理矢理胃の奥に流し込んだ食パンとヨーグルトと卵焼きが消化液とごちゃまぜになって床に垂れ流される。

喉の奥が痛む。

無理に抑えようとしたせいで鼻の奥にまで逆流してきてあまりの苦しさに涙目になった。

全てを吐き終えると、あたしは肩で息をした。

周りは水を打ったかのようにしんっと静まり返る。
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