イジメ返し―連鎖する復讐―
引退試合は来月だ。けれど、それを待たずに部活を辞めることを考え始めていた。

あんなに楽しくて生きがいだとすら思っていた部活が今は苦痛でしかない。

部活に行くことを考えるだけで手足が震え呼吸が乱れる。

ノエルや瑠偉や海荷、それだけなくバスケ部から距離を置くことが最重要に思えた。

でも……。

部活を辞めたってもうあたしの居場所は学校にはない。

教室でみんなの前でおう吐してしまうなんて……。

あたしの心も体も限界で悲鳴を上げていたんだ。

男子の悲鳴、ざわつく教室、ヒステリックな叫び声、開け放たれた窓。

鮮明にあの時のことが蘇ってくる。

早退したあとも、クラスで仲良くしていた友達からの連絡はなかった。

休んだり早退したりすれば必ず心配するメッセージを送ってくれていたのに。

それすらないということがすべてを物語っていた。

あたしは、みんなに嫌われてしまったのだ。
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