イジメ返し―連鎖する復讐―
お昼になっても食欲はわかず、母が作ってくれたお弁当に箸をつけることはできなかった。

放課後になると重たい体を引きずって部活に向かう。

足元のピカピカのバッシュを見るとさらに気持ちが重たくなる。

せっかく買ってもらったというのにこんな気持ちになるなんて最低だ。

分かっていてもどうしても喜ぶ気になれなかった。

「アンタ、2日間学校休んでたんだってね。どうせ仮病でしょ?もうすぐ引退なのにたるんでない?」

体育館に入るなり、部員たちの前でノエルが高圧的な態度であたしを責めた。

「ごめん……」

「てか、雑用係が2日いなかったせいでビブス洗えてないんだけど。洗濯機は他の部活が使ってるから手洗いして全部干しといて」

「……うん」

「なに?その覇気のない目。マジキモい」

「あははっ、確かに目の下のクマやばい。死神みたい」

ノエルの言葉に海荷が吹き出す。その隣にいた瑠偉は勝ち誇ったようにあたしを見つめていた。
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