イジメ返し―連鎖する復讐―
「手伝わせちゃってごめん。でも、ホント助かったよ……。ありがとう」

ビブスを干し終わりお礼を言うとエマはにっこりと笑った。

「どういたしまして。でも、これって普通1年のやる仕事ですよねぇ?それをどうして3年の咲綾先輩が?」

「おかしいって分かってる……。でも、言えない。恥ずかしいけど、あたし、もうこれ以上傷付きたくないの」

痛い思いも苦しい思いももうしたくない。

抵抗する気になんてならないぐらいあたしは痛めつけられた。

だから今は黙って従うしかない。

「イジメ返し、しましょう」

「前にも言ったけど、そんなこと現実的じゃない。成功するはずもないし」

「エマが必ず成功させてみせます」

「でも……」

「イジメはイジメる方が悪いんです」

きっぱりと言うとエマは真剣な表情を浮かべた。
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