イジメ返し―連鎖する復讐―
「嫌われ者のあたしなんかと一緒にいたらエマまで白い目で見られちゃうよ……?」

「白い目で見る人間なんてほおっておけばいいんです」

「でも……」

「エマは咲綾先輩の味方ですよ。エマにとっての敵はイジメっ子ですから」

エマはそっとあたしの右手を掴んだ。

「やり返しましょう。やられた分の倍、ううん……百倍の痛みを味わわせるんです。軽い気持ちでイジメを行った代償を払わせましょう」

「あたしだってできることならやり返したいけど……」

「じゃあ、決まりですね。誰にやり返したいですか?」

エマの言葉に頭の中で真っ先に思い浮かんだのは、ノエル、瑠偉、折原先生だった。

「ノエルと瑠偉と顧問の折原先生……それと、海荷も」

イジメを加速させる原因を作ったのは間違いなく折原先生だ。

そして、あの日……体育館倉庫であたしをいたぶったのはノエルと瑠偉と海荷。

他にも嫌いな人間はいる。

だけど、イジメ返しができるならあの4人にしたい。
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