🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
❤︎No.2❤︎ 狂い

甘くて怖い、血

次の日。

朝、玄関のドアを開けて外に出ると、黒い車が止まっていた。

嫌な予感がして、学校の方向に走りだすと、肩にポンッと手が乗った。

「おはよう、ひ〜ゆ❤︎」

「あっ……お、おはようっ……ござい、ましゅ……」

変な緊張が身体に走る。

逃げようとすると、後ろからぎゅっと抱きしめられた。

「あっ……つ、捕まっちゃったっ……」

こうなると、薄々わかっていたんだよなぁっ……。

「……なにそれ、やばいんだけど」

「?」

ど、どうしたんだろう?

慌てて向きを変えて、玲くんの方を見ると、顔が真っ赤になって、手で口元を押さえつけていた。

「かわい、すぎるっ……なに、その、つ、捕まっちゃったって……やばい、尊い、天使っ……」

「え、ええっ……え、っと……」

私が困ってぷるぷるしていると、それを見てさらに顔を赤くした玲くん。

「っ……!て、天気……本当に、取り乱すから、急に可愛いのとか、いや、いつも可愛いけど、可愛い上に可愛くてそれまた可愛いの、やめて……僕、泣いちゃう……」

「え、ええっ……!?」

な、泣いちゃうっ……!?

「ご、ごめんねっ!!わ、私、泣かせるつもりはなくって……。ううっ……よ、よしよし」

可哀想すぎて、思わず頭を撫でた。

「っ……あーもう無理。自分のせいなんだからね」

すると、私は抱き上げられて、車に連行されてしまった。

ガチャンと車のドアが閉まる。

「ううっ……」

「一緒に学校行くだけだよ?安心してね❤︎」

笑ってるのに目が笑ってない玲くんに恐怖が溢れる。
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