🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「あ、にょ、でしゅねっ……れ、玲くんに、聞きたいことが、あるでしゅっ……」

「うんうん、なぁに?」

「こないだ、私のお部屋に、不法侵入したじゃないですかっ……?」

「ふふっ、不法侵入だなんて」

身体がぷるぷるして、目が潤んでくる。

「その時、血が出てたでしゅよねっ……?そ、それでっ……血、吸ったんですよね……?なのに、なんで、昨日、10年ぶりの吸血ってっ……」

昨日家に帰って、よくよく考えてみて思い出したんだ。

もし、血を吸うために、血を出させたのなら、いいのだけれどっ……いや、よくないけど、それ以外に理由があるなら、怖いから、知っておきたい。

「あ〜……それは……ね」

玲くんが急に下を向く。

「…………言わなきゃ、だめ?」

「えっ……」

なんだろう、言葉に冷たさが混じっていた。

「……言わなきゃ、だめ」

冷たくされると、とっても、辛くて……。

でも、知りたい。こんなくだらないことだけど、怖いし……。

そう思いギュッとスカートの裾を握る。

「……しょうがないなぁ。ひゆに、怖い思いさせたくなかったのに」

「……え?」

どういうことだろう……?

そう思うと、玲くんはブレザーを脱ぎ、左腕を私に見せてきた。

その腕には、包帯がぐるぐると巻いてある。

「ど、どうしたのっ……!?」

「ふふっ、知りたい?」

そう言って微笑む玲くんの瞳の片方が、赤色に染まっていた。

……あの時とっ……おな、じっ……。

でも、片方の、瞳だけっ……。

「こないだ、ひゆのおうちに行った時、試しに、ひゆを噛みました。ひゆからは、甘い血が出てきて、僕は、その血の誘いに、勝らなければいけなかった」

「ど、どうして……?」

血の誘惑に、勝るっ……?

「ふふっ、ひゆの血はね、とっても濃いし、甘いの。だからね、下手すると、死んじゃうぐらい吸っちゃうんだよね」

「えっ……?」

死ぬぐらい、吸うっ……?

「なぁんて、嘘だよ。でも、ひゆが貧血で倒れたりなんかしたら、僕、死んじゃうからね。だから、耐えられるか、試したんだけど……ひゆの可愛さと、血の甘さに負けちゃってね。まぁ、吸ってはないんだけど……腕に力を込めてたら、爪でガリガリしちゃってたみたいで。あ、でもいいや。治すから」

「っ……え?な、おす……?」

血、甘さ……?治す……?

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