🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
❤︎Side 玲❤︎ 嫌な場所
教室までしっかりとひゆを送り、自分の教室に戻る。
……まさか、あんなに心配してくれるとは。
『もう、大丈夫なの……?なんで、自分を傷つけるの……?怖いよ、玲くんが、壊れちゃいそうでっ……』
『婚約者なら、これぐらい、いいでしょう……?』
なに、それ……僕のこと、好きでもないくせに、ひどい……。
嬉しさと悲しさと寂しさが混ざる複雑な感情が心に現れた。
「……玲?」
「あっ……悠河じゃん。久しぶり」
まさか、この学園にいるなんて。
菅野悠河、僕の幼なじみだ。
小学校までは、一緒だった。
「うゎ、お前、背めっちゃ高くなってんじゃん」
「悠河だって」
僕よりも、ちょっとだけでかいくせに。
「あはは。なぁ、連絡先交換しよーぜ?」
「別に、いいけど」
スマホを出して、連絡先を交換して、席に戻る。
そして、ブレザーのポケットからスマホを取り出し、イヤホンをしてとある画面をつける。
そこに映し出されたのは、可愛くて、愛おしいひゆの姿だ。
『それでね……玲くん、自分の腕に、ナイフを、がぁって刺して……』
雪奈先輩にそう話しているひゆ。
その姿も、また愛おしい。
僕はいま、スマホで防犯カメラの映像を観ている。
この学園のありとあらゆる場所に、ひゆのことを見るために防犯カメラを仕掛けた。
これも、全部、ひゆを守るためだ。
「……お前、なに観てんの……?」
そんな声がして、後ろに振り返ると、悠河がいた。
「……婚約者」
「え、お前、相手、見つけたの、か……?」
「見つけたもなにも、ずっと前からだし」
「へぇ……お前に限って……」
その言葉にむすっとした表情を見せて、再びスマホを見る。
『おはよーひゆちゃん。昨日学校いなかったけど大丈夫?』
『あっ!蒼葉くん!大丈夫、だよ……なんとか……』
『……ごめんね、俺、ひゆちゃんのこと守らなくて……』
……なんで、アイツが僕の天使と喋ってんだよ……。
イライラして、思わず腕を引っ掻く。
『ううん!こちらこそ、ごめんね、あと、ありがとう!』
そう言って、偽りのない満面の笑みを見せたひゆ。
どこまで可愛くて優しいんだ……。
次の瞬間、イヤホンをブチッと取られて、また優雅にちょっかいを出される。
「……お前、これなんだよ」
そう言って悠河が指を指したのは、さっきひゆに付けさせたキスマークだった。
「……別に」
今度、キスマークも、ちゃんと、ひゆにつけとかないと……。
僕はひゆ自身愛しているけど、野蛮な吸血鬼なんていっぱいいて、稀にないあのレベルの甘い血を持ち、しかも濃いのだったら余計に危ない。
吸血鬼の婚約者は、吸血鬼の噛み跡により、その吸血鬼のものだという、香りがしてくる。
マーキングできていいかもしれないというわけでもなく、そのせいで余計に存在を気づかれてしまうかもしれない。
だから、こうしてちゃんと、守らないと、
……まさか、あんなに心配してくれるとは。
『もう、大丈夫なの……?なんで、自分を傷つけるの……?怖いよ、玲くんが、壊れちゃいそうでっ……』
『婚約者なら、これぐらい、いいでしょう……?』
なに、それ……僕のこと、好きでもないくせに、ひどい……。
嬉しさと悲しさと寂しさが混ざる複雑な感情が心に現れた。
「……玲?」
「あっ……悠河じゃん。久しぶり」
まさか、この学園にいるなんて。
菅野悠河、僕の幼なじみだ。
小学校までは、一緒だった。
「うゎ、お前、背めっちゃ高くなってんじゃん」
「悠河だって」
僕よりも、ちょっとだけでかいくせに。
「あはは。なぁ、連絡先交換しよーぜ?」
「別に、いいけど」
スマホを出して、連絡先を交換して、席に戻る。
そして、ブレザーのポケットからスマホを取り出し、イヤホンをしてとある画面をつける。
そこに映し出されたのは、可愛くて、愛おしいひゆの姿だ。
『それでね……玲くん、自分の腕に、ナイフを、がぁって刺して……』
雪奈先輩にそう話しているひゆ。
その姿も、また愛おしい。
僕はいま、スマホで防犯カメラの映像を観ている。
この学園のありとあらゆる場所に、ひゆのことを見るために防犯カメラを仕掛けた。
これも、全部、ひゆを守るためだ。
「……お前、なに観てんの……?」
そんな声がして、後ろに振り返ると、悠河がいた。
「……婚約者」
「え、お前、相手、見つけたの、か……?」
「見つけたもなにも、ずっと前からだし」
「へぇ……お前に限って……」
その言葉にむすっとした表情を見せて、再びスマホを見る。
『おはよーひゆちゃん。昨日学校いなかったけど大丈夫?』
『あっ!蒼葉くん!大丈夫、だよ……なんとか……』
『……ごめんね、俺、ひゆちゃんのこと守らなくて……』
……なんで、アイツが僕の天使と喋ってんだよ……。
イライラして、思わず腕を引っ掻く。
『ううん!こちらこそ、ごめんね、あと、ありがとう!』
そう言って、偽りのない満面の笑みを見せたひゆ。
どこまで可愛くて優しいんだ……。
次の瞬間、イヤホンをブチッと取られて、また優雅にちょっかいを出される。
「……お前、これなんだよ」
そう言って悠河が指を指したのは、さっきひゆに付けさせたキスマークだった。
「……別に」
今度、キスマークも、ちゃんと、ひゆにつけとかないと……。
僕はひゆ自身愛しているけど、野蛮な吸血鬼なんていっぱいいて、稀にないあのレベルの甘い血を持ち、しかも濃いのだったら余計に危ない。
吸血鬼の婚約者は、吸血鬼の噛み跡により、その吸血鬼のものだという、香りがしてくる。
マーキングできていいかもしれないというわけでもなく、そのせいで余計に存在を気づかれてしまうかもしれない。
だから、こうしてちゃんと、守らないと、