🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
なんだか、玲くんってやっぱりわんちゃんみたいだな。

しっぽふりふりして、甘えてきてくれそう。

「わんちゃんみたいでかわいーね」

そう言って玲くんの頭を無心撫でる。

「っ……!?」

……?、なんで、そんなに動揺するんだろう?

頭を少し撫でただけで動揺する玲くんを疑問に思う。

自分からはあんなに抱きついたり、お姫様抱っこしてきたりするのに。

でも、そんなところも可愛いなって思ってしまう自分がいる。

この子にはハマりたくない。

私は人に依存しやすくてっ……自分のこと、ちょっとでも大事にしてくれる人が、自分の前からいなくなるのが、嫌で、怖くて……。

それが、嫌だから……。

「私、玲くんのことは、大好きだよ」

自然とそんな言葉が漏れた。

これは、後輩として、幼なじみとしては、大好きだから。

「……」

「でも、玲くんに依存したくない」

「……え?なんで?」

「玲くんが、いつか離れて行く時、やだ、から……」

素直に言ってみて、それで嫌がられたら終わり、それでいいと思って言ってみた。

「……僕の、ひゆに依存してる、だから、大丈夫、依存して」

そう言われて、優しく抱きしめられた。

まるで壊物を扱うかのように。

「っ……友達でも、依存したら、なんでも妬いちゃうんだよ?いいの?……」

「うん、いいよ。むしろ、嬉しいから」

「ううっ……ありがと、う……」

あれ……?

幸せだ……なんで?

でも、前が、見え、ない……。

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