🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「や、だっ……」




「——ゆ!!ひゆ!!」

「玲、くん……?」

ポロポロと涙が流れる。

「なんで、また気絶、しちゃったんだろう……」

「なんでだろうね。」

「怖いっ……私、病気かな?」

私、もうすぐ死んじゃうのかな……?

ううっ……お腹痛くなってきたっ……。

「病気じゃないよ。あ、でも、血を吸ったら病気か病気じゃないかわかるよ」

「ほ、本当っ……?でも、病気だったら、玲くんに移らない……?」

「ふふっ、移らないし、移ったとしても、吸血鬼は吸血鬼だけの病気があるから、ならないよ」

吸血鬼だけの、病気……?

「吸血鬼だけの病気って……?」

「気になる?」

「心配……玲くん、死んじゃったら、やだっ……」

「……お熱の伝染病だよ」

「本当……?」

玲くん、なんか、嘘、ついてる……?

「伝染病だけじゃないでしょ……?」

「……ひゆは、知らない方がいいよ」

「死んじゃう病気じゃない?」

「うん」

それは、嘘じゃ、なさそう……。

「わかったっ……」

声色が、嘘をついてないと示している。

「……玲くん……私、今日なんで動けなかったんだろう」

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