🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「……それも、血吸ったらわかるかもね」
「え、ほ、本当?じゃあ、吸っていいよ」
血、吸わないと、玲くんも大変だもんね。
「……うん」
一瞬無言になった玲くんだけど、次に私の首筋をぺろっと舐めて、牙を立てた。
「はぅ……!?い、痛っ……」
目に涙が浮かんでくる。
「……」
一度噛み口から顔を離して、またカプッと血の場所に口付けて、血をちゅーちゅーと吸う玲くん。
「ふぁっ……」
目の前が……。
また、倒れるっ……。
「……もうやめるよ」
すると玲くんはペロッと私の傷口を舐める。
「治ったね」
心配になって首筋を触った自分の手を見た。
けれど、全くとして血は出ていなかった。
「本当だっ……あ……私、病気だった……?」
そう言って玲くんの顔を覗き込む。
「ううん、平気だったよ。多分、寝不足だね」
「そっか……よかった」
安心して胸を撫で下ろす。
「……」
「玲くん……?」
「…………」
あれ……?玲くん、なんか様子がおかしいっ……?
「玲くん……?玲くん……!!」
ベッドに座って固まっている玲くんの肩を揺する。
でも、目が赤くなっているばかりで、それ以外になにも反応がない。
「……っ……」
「あっ……玲くん……!!」
反応、して、くれた……。
まるで意識が戻ってきたかのような表情をした玲くんに、安心と不安が重なる。
「どう、したの……?」
「なんでもないよ。ちょっと、ボーッとしただけ」
そう言って笑っている玲くんだけど、とてもボーッとしていたという次元じゃない。
完全に、意識がなかった。
「っ……玲くん、寝てて」
そう言って玲くんをベッドに寝転がらせようと肩を押すと、少しの力で簡単に倒れてしまった。
「……んー……?僕、押し倒されてる……?」
「ち、ちがう……!!」
勢いにあまったせいで、私が玲くんを押し倒しているようになってしまい、顔がボワッと熱くなった。
でも、やっぱりこんなに軽く押しただけで倒れるのは、おかしい……。
とりあえず、安静に、しててもらおう……。
横になった玲くんに布団をかける。
た、体温計とか、ないかな……?
探しに行こうと立ち上がると、ぎゅっと手首を握られた。
「いか、ないで……」
「えっ……?」
「ひー……ちゃん……行かないで……」
『ひーちゃん……行かないで……ずっと、一緒……』
幼ない頃の記憶が蘇った気がした。
吸われた時の記憶は、いまでもしっかりと覚えている。
でも、それ以外に交わした会話は少ししか覚えていなくて。
「玲くん……」
「行かないで……僕の前から、消えてかないで……」
今度はポロポロと涙を流しだした玲くん。
「……行かないよ……」
私はもうどうしようもなくなって、ただ玲くんを抱きしめた。
「……もう、僕から離れていかない……?」
「離れないよ。だって、私たち結婚するんでしょう……?」
ものすごく、怖いけれど、恋愛感情として、玲くんのことが好きかと聞かれたら、答えられないけれど……玲くんのことはとっても大事だから。
「僕のこと、好きなの……?」
「……恋愛かだったら、まだ、わからない……けど、玲くんのこと、大事で……玲くんと結婚するなら、嫌じゃないの……」
こんなこと言って、最低かもしれないけれど、これが紛れもない真実だ。
「……そっか……。まぁ、いいや❤︎」
「えっ……?」
一瞬玲くんの声色が変わって、私は引っ張られて布団の中に入れられた。
「……僕たち、まだちゅー、したことないよね」
「えっ……そういえばっ……」
して、ない……。
「いま、したい」
「ええっ……!?」
その言葉とともに大きな身体に包み込まれるように抱き寄せられて、思わず玲くんの胸を押す。
「あ、あのっ……き、キスは、まだ、やだ……」
いつか、することだって、わかってるし、結婚、するなら、しなきゃ、だし……。
「やだ……?なんだろ。逆にしたくなる」
「えっ……」
「ひゆが、怖がったりしてるとこ、めっちゃ可愛くて逆に興奮しちゃうな」
「な、なに言って……」
玲くんって、変態……?ドS……?ドM……?
「そ、そんなことより、もう玲くんは大丈夫なの……?」
すっかり元気になってるように見えるけど……。
「うん。ひゆのことぎゅーできたからね」
そう言って嬉しそうに幼い笑みを浮かべた玲くん。
「え、ええっ……!?それだけで……?」
「うん」
ま、まさかそんなっ……。
んっ……?っていうか……。
「玲くん、全部、演技……?」
「えへへっ……僕、頑張って演技、したのっ……!」
そう言って今度は私のお腹に顔を埋めて抱きついてきた玲くん。
「なっ……!?あのねっ?いくら可愛くしたって、ゆ、許してあげ……」
そういいかけると、上目遣いで、うるうるの目で、まるで子犬が「クゥゥ」というかのように見つめられる。
そんな、可愛いの、ずる、い……。
「許しゅ……」
「えへへ、ありがとう」
そう言って頭を優しく無でてくれる玲くん。
そ、そういえば、聞いたいことがいっぱいある!!
「あの、なんで私ここにいるの?」
「……レンチャンって言う人、誰?」
「?、れんちゃんは、私の幼なじみの親友だよ」
とってもイケメンで。
「……」
「あ、あれ?」
なにか、勘違い、してる?
「あ、あの、玲くん。れんちゃんは、女の子、だよ?」
「……は?あの顔で?」
「あ、あは……」
れんちゃんは超イケメンで、美人で、制服もズボン履いてるし、身長170センチあるって言ってたから、勘違いしちゃったのかな。
「……へー……信じる」
「!うん、ありがとう!。あ、玲くん……私、おうち帰りたい……」
「……帰る?どうして?」
「え?」
——ここが、キミのおうちだよ。
「え、ほ、本当?じゃあ、吸っていいよ」
血、吸わないと、玲くんも大変だもんね。
「……うん」
一瞬無言になった玲くんだけど、次に私の首筋をぺろっと舐めて、牙を立てた。
「はぅ……!?い、痛っ……」
目に涙が浮かんでくる。
「……」
一度噛み口から顔を離して、またカプッと血の場所に口付けて、血をちゅーちゅーと吸う玲くん。
「ふぁっ……」
目の前が……。
また、倒れるっ……。
「……もうやめるよ」
すると玲くんはペロッと私の傷口を舐める。
「治ったね」
心配になって首筋を触った自分の手を見た。
けれど、全くとして血は出ていなかった。
「本当だっ……あ……私、病気だった……?」
そう言って玲くんの顔を覗き込む。
「ううん、平気だったよ。多分、寝不足だね」
「そっか……よかった」
安心して胸を撫で下ろす。
「……」
「玲くん……?」
「…………」
あれ……?玲くん、なんか様子がおかしいっ……?
「玲くん……?玲くん……!!」
ベッドに座って固まっている玲くんの肩を揺する。
でも、目が赤くなっているばかりで、それ以外になにも反応がない。
「……っ……」
「あっ……玲くん……!!」
反応、して、くれた……。
まるで意識が戻ってきたかのような表情をした玲くんに、安心と不安が重なる。
「どう、したの……?」
「なんでもないよ。ちょっと、ボーッとしただけ」
そう言って笑っている玲くんだけど、とてもボーッとしていたという次元じゃない。
完全に、意識がなかった。
「っ……玲くん、寝てて」
そう言って玲くんをベッドに寝転がらせようと肩を押すと、少しの力で簡単に倒れてしまった。
「……んー……?僕、押し倒されてる……?」
「ち、ちがう……!!」
勢いにあまったせいで、私が玲くんを押し倒しているようになってしまい、顔がボワッと熱くなった。
でも、やっぱりこんなに軽く押しただけで倒れるのは、おかしい……。
とりあえず、安静に、しててもらおう……。
横になった玲くんに布団をかける。
た、体温計とか、ないかな……?
探しに行こうと立ち上がると、ぎゅっと手首を握られた。
「いか、ないで……」
「えっ……?」
「ひー……ちゃん……行かないで……」
『ひーちゃん……行かないで……ずっと、一緒……』
幼ない頃の記憶が蘇った気がした。
吸われた時の記憶は、いまでもしっかりと覚えている。
でも、それ以外に交わした会話は少ししか覚えていなくて。
「玲くん……」
「行かないで……僕の前から、消えてかないで……」
今度はポロポロと涙を流しだした玲くん。
「……行かないよ……」
私はもうどうしようもなくなって、ただ玲くんを抱きしめた。
「……もう、僕から離れていかない……?」
「離れないよ。だって、私たち結婚するんでしょう……?」
ものすごく、怖いけれど、恋愛感情として、玲くんのことが好きかと聞かれたら、答えられないけれど……玲くんのことはとっても大事だから。
「僕のこと、好きなの……?」
「……恋愛かだったら、まだ、わからない……けど、玲くんのこと、大事で……玲くんと結婚するなら、嫌じゃないの……」
こんなこと言って、最低かもしれないけれど、これが紛れもない真実だ。
「……そっか……。まぁ、いいや❤︎」
「えっ……?」
一瞬玲くんの声色が変わって、私は引っ張られて布団の中に入れられた。
「……僕たち、まだちゅー、したことないよね」
「えっ……そういえばっ……」
して、ない……。
「いま、したい」
「ええっ……!?」
その言葉とともに大きな身体に包み込まれるように抱き寄せられて、思わず玲くんの胸を押す。
「あ、あのっ……き、キスは、まだ、やだ……」
いつか、することだって、わかってるし、結婚、するなら、しなきゃ、だし……。
「やだ……?なんだろ。逆にしたくなる」
「えっ……」
「ひゆが、怖がったりしてるとこ、めっちゃ可愛くて逆に興奮しちゃうな」
「な、なに言って……」
玲くんって、変態……?ドS……?ドM……?
「そ、そんなことより、もう玲くんは大丈夫なの……?」
すっかり元気になってるように見えるけど……。
「うん。ひゆのことぎゅーできたからね」
そう言って嬉しそうに幼い笑みを浮かべた玲くん。
「え、ええっ……!?それだけで……?」
「うん」
ま、まさかそんなっ……。
んっ……?っていうか……。
「玲くん、全部、演技……?」
「えへへっ……僕、頑張って演技、したのっ……!」
そう言って今度は私のお腹に顔を埋めて抱きついてきた玲くん。
「なっ……!?あのねっ?いくら可愛くしたって、ゆ、許してあげ……」
そういいかけると、上目遣いで、うるうるの目で、まるで子犬が「クゥゥ」というかのように見つめられる。
そんな、可愛いの、ずる、い……。
「許しゅ……」
「えへへ、ありがとう」
そう言って頭を優しく無でてくれる玲くん。
そ、そういえば、聞いたいことがいっぱいある!!
「あの、なんで私ここにいるの?」
「……レンチャンって言う人、誰?」
「?、れんちゃんは、私の幼なじみの親友だよ」
とってもイケメンで。
「……」
「あ、あれ?」
なにか、勘違い、してる?
「あ、あの、玲くん。れんちゃんは、女の子、だよ?」
「……は?あの顔で?」
「あ、あは……」
れんちゃんは超イケメンで、美人で、制服もズボン履いてるし、身長170センチあるって言ってたから、勘違いしちゃったのかな。
「……へー……信じる」
「!うん、ありがとう!。あ、玲くん……私、おうち帰りたい……」
「……帰る?どうして?」
「え?」
——ここが、キミのおうちだよ。