🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「きてくれるかもしれないってこと?」
「うんっ……玲くん……雪奈ちゃん……れんちゃん……助けてぇっ……」
「っもう。そんな可愛くないたってだめなんだから。さっさとその血、吸わせてくれない?」
「……え?」
血を、吸う……?
それって……。
「蒼葉くんは、吸血鬼、なの……?」
その瞬間、私は恐怖に包まれて、この人が危ない理由がわかった気がした。
「それは、ちょっとちがうよ。だって僕は」
「……?」
そして、蒼葉くんからはふさふさの耳、しっぽが生えてきた。
「……妖狐、なの……?」
妖狐にしては、しっぽが、小さい気がするけれど……。
「ふふっ、ちょっとちがう。僕は……
人狼
だよ」
「……?じん、ろう……?」
聞いたこと、が、ある……そうだ……吸血鬼、妖狐の他に、『人狼』も、いるんだ。
「うん、吸血鬼ほどじゃあないけど、人狼も血がないと生きていけないんだ」
「そ、そうなんだっ……」
「それでさ、“ひゆちゃんの血が欲しい”」
っ……!!
『“ひゆ”が欲しい』
なんだろう。モヤモヤしていたものが、晴れた気がした。
「ごめんなさい。私は、『玲くんにしか』血はあげられない」
「っ……」
玲くんは、私のことを、丸ごと愛してくれる、愛してくれている。
でも、蒼葉くんには血への執着しか見えない。
「なんで?どうしてどうして?!」
「玲くんは、私のこと、たぁっぷり愛してくれてるから」
そう言って、にこっと微笑んだ。
「……俺だって、ひゆちゃんのこと、愛してるのに……?会った時から、一目惚れしてたっていうのに……?」
そんな、悲しそうな顔しないで蒼葉くん。
無心と頬に手を当てる。
「それは、ありがとう、でも、私は、玲くんが———」
ガチャン!!!
「ひゆ!!!」
「れ、い……くん……?」
焦り切って、目が紅色に、髪の毛は黒色に。
「っ!!」
蒼葉くんはとっても動揺していて、
「玲くんっ……!!」
私は、喜びと安堵でいっぱいになっていた。
もう、きっと、大丈夫だ。
玲くんが、きて、くれた、から……。
でも、その瞬間、私の首筋にとてつもない、耐えられない痛みが走った。
ポタポタと血が垂れていて、震えが止まらなくなる。
そして、わかってしまったのだ。
蒼葉くんに、噛みつかれた、と。
「やだっ……」
ジュージューと音を立てて吸われていく血。
視界が歪みだして、血を吸われなくなったけれど、……ふと視線を移すと、血だらけで、傷だらけの蒼葉くんが、静かに倒れていた。
「……へっ……?」
もうなにもかもわからなくて再び流れる涙。
「大丈夫……?ひゆ……」
そう言って近づいてくる玲くん。
優しくて、小さくて、いまにも消えてしまいそうな掠れた声で、そう心配してくれながら、私のことを優しくぎゅっと抱きしめる。
「玲くんが、やったの……?」
「……」
私の質問に対しては無言で、怖いはずなのに、離れないで欲しい感情が溢れる。
「怖かったよぉっ……きてくれて、ありがとぅ……」
「……!!う、ん……あ、治す……」
「?……」
そう言った玲くんはゴソゴソと動いて、私の噛まれた跡を一生懸命に舐める。
「く、くしゅぐったぁいっ……」
「ふふっ、ちょ、っと、我慢……して……」
すると、玲くんは私のことを押し倒す。
「せっかくだし、ちゃんと……」
そう言うと、私の首筋に口付けてちゅーちゅーとキスをしている。
「……よし、ついたね」
そう言って綺麗な人差し指で触れられたところになにがあるのか私はわからない。
「なに、したの?」
「うんっ……玲くん……雪奈ちゃん……れんちゃん……助けてぇっ……」
「っもう。そんな可愛くないたってだめなんだから。さっさとその血、吸わせてくれない?」
「……え?」
血を、吸う……?
それって……。
「蒼葉くんは、吸血鬼、なの……?」
その瞬間、私は恐怖に包まれて、この人が危ない理由がわかった気がした。
「それは、ちょっとちがうよ。だって僕は」
「……?」
そして、蒼葉くんからはふさふさの耳、しっぽが生えてきた。
「……妖狐、なの……?」
妖狐にしては、しっぽが、小さい気がするけれど……。
「ふふっ、ちょっとちがう。僕は……
人狼
だよ」
「……?じん、ろう……?」
聞いたこと、が、ある……そうだ……吸血鬼、妖狐の他に、『人狼』も、いるんだ。
「うん、吸血鬼ほどじゃあないけど、人狼も血がないと生きていけないんだ」
「そ、そうなんだっ……」
「それでさ、“ひゆちゃんの血が欲しい”」
っ……!!
『“ひゆ”が欲しい』
なんだろう。モヤモヤしていたものが、晴れた気がした。
「ごめんなさい。私は、『玲くんにしか』血はあげられない」
「っ……」
玲くんは、私のことを、丸ごと愛してくれる、愛してくれている。
でも、蒼葉くんには血への執着しか見えない。
「なんで?どうしてどうして?!」
「玲くんは、私のこと、たぁっぷり愛してくれてるから」
そう言って、にこっと微笑んだ。
「……俺だって、ひゆちゃんのこと、愛してるのに……?会った時から、一目惚れしてたっていうのに……?」
そんな、悲しそうな顔しないで蒼葉くん。
無心と頬に手を当てる。
「それは、ありがとう、でも、私は、玲くんが———」
ガチャン!!!
「ひゆ!!!」
「れ、い……くん……?」
焦り切って、目が紅色に、髪の毛は黒色に。
「っ!!」
蒼葉くんはとっても動揺していて、
「玲くんっ……!!」
私は、喜びと安堵でいっぱいになっていた。
もう、きっと、大丈夫だ。
玲くんが、きて、くれた、から……。
でも、その瞬間、私の首筋にとてつもない、耐えられない痛みが走った。
ポタポタと血が垂れていて、震えが止まらなくなる。
そして、わかってしまったのだ。
蒼葉くんに、噛みつかれた、と。
「やだっ……」
ジュージューと音を立てて吸われていく血。
視界が歪みだして、血を吸われなくなったけれど、……ふと視線を移すと、血だらけで、傷だらけの蒼葉くんが、静かに倒れていた。
「……へっ……?」
もうなにもかもわからなくて再び流れる涙。
「大丈夫……?ひゆ……」
そう言って近づいてくる玲くん。
優しくて、小さくて、いまにも消えてしまいそうな掠れた声で、そう心配してくれながら、私のことを優しくぎゅっと抱きしめる。
「玲くんが、やったの……?」
「……」
私の質問に対しては無言で、怖いはずなのに、離れないで欲しい感情が溢れる。
「怖かったよぉっ……きてくれて、ありがとぅ……」
「……!!う、ん……あ、治す……」
「?……」
そう言った玲くんはゴソゴソと動いて、私の噛まれた跡を一生懸命に舐める。
「く、くしゅぐったぁいっ……」
「ふふっ、ちょ、っと、我慢……して……」
すると、玲くんは私のことを押し倒す。
「せっかくだし、ちゃんと……」
そう言うと、私の首筋に口付けてちゅーちゅーとキスをしている。
「……よし、ついたね」
そう言って綺麗な人差し指で触れられたところになにがあるのか私はわからない。
「なに、したの?」