🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「ふふふ、秘密」

そう言って人差し指を自分の唇に当てた玲くんがカッコよくて見惚れてしまった。

「っ……あっ……な、なんでここがわかったの……?」

蒼葉くんは来れないって言ってたのに……。

「……ひゆには、GPSつけてるからね」

「え、そ、そうなんだっ……」

知らなかったなぁ。

「僕にもGPSついてるから、スマホから見れるよ?」

「えっ……じゃあ、可愛い玲くんが誘拐されたりした時、すぐわかるね!」

そう言ってえへへと微笑む。

「……そうだねぇ。僕可愛いひーちゃんの血吸ってるから可愛くなっちゃった」

「ぷぷ、玲くんは優しいね」

「……どんだけ僕を煽ったら気が済むの?」

そう言った玲くんは、私のことを甘噛みしたり、首筋に口付けてきたりする。

「やめっ……」

「……こんぐらいにするか」

「ううっ……なんかひりひりする……」

首筋が痛いぃ……。

「ふふっ、ごめんね。……帰ろっか」

「うんっ……!!」

気づけば外は真っ暗になっていた。

なんだかんだで最近、学校にちゃんと行けてない気がする……。

「立てる?」

「あっ……」

身体に力が入らない。

「ご、ごめんね……力、入らな……きゃっ……?」

玲くんが軽々と私のことをお姫様抱っこしてくれる。

「大丈夫、帰るよ」

「ありがとう……」

私は身を玲くんに寄せて、目を閉じた。

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