🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
おかしな感情
しばらくして、玲くんに家に送ってもらうと、そこには雪奈ちゃんとれんちゃんがいた。
「ひゆっ……大丈夫、だった……?」
「?、う、うん……?」
「……ひゆ……お前、ちゃんと玲に傷、消してもらえたか?」
「う、うん!」
玲くんちゃんと、治してくれた……。
「……そんなに心配することないですよ。僕の血を少量流しておいたんで」
そう言った玲くんがにっこり王子様スマイルを浮かべる。
「……そうか、ありがとうな」
「……ふたりとも、心配してくれて、ありがとう……!でも、私は、玲くんがきてくれたし、もう大丈夫だよっ?」
「……ひゆ、お前、人狼の恐ろしさを知らないのか……?」
「え……?」
人狼の、恐ろしさ……?
ど、どういうことだろう……?
意味がわからないまま私のちっぽけな脳みそはぐるぐると廻る。
「……その話、いまする必要がありますか、恋先輩」
「玲、お前は黙って——」
「ひゆはそんなこと知ったってなにもできないんです。僕が拘束してますからね❤︎」
……?ど、どういうことだろう?
またまたわからないことを言われて、余計に頭がつっかえる。