🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「……人狼は、特に危ないから、気をつけろ」

「う、うんっ……!!」

れんちゃんはなにかを言いたそうにしていたが、言ってはくれなかった。

「……僕は、帰ります」

「あっ、バイバイ、玲くんっ……色々と、ありがとう」

そう言いながら手を振ってにこにこと微笑むと、玲くんは嬉しそうに笑みを浮かべて手を振り返してくれた。

「……玲も帰ったことだし……3人で、恋話でもしない?」

「こい、ばな……?」

雪奈ちゃんの言葉にドキッとしてしまった。

「し、したい!!」

昔から、『恋話』をきゃーきゃー言いながら話してみるのが憧れだった。

「ははっ、じゃあ3人でするか。」

「うん!」

そのまま私の部屋に行き、お気に入りのうさぎのクッションを私は抱き抱え恋話が開始される。

「……えっと、まず私からね。まぁ……えっと……あの狐さんは、あ、甘え方が、か、可愛いのよとにかく!」

ちょっぴり強気にそう言った雪奈ちゃんの頬が真っ赤に染まっている。

「そうなんだ!」

龍神先輩に、わりと可愛いところが……。

「……そ、それだけ!!」

「ふふっ、雪奈ちゃんったら可愛い〜」

そう言ってくすくす笑うと。

「うるさぁい!!」

恥ずかしそうにそう怒られてしまった。

っ……。

いま、私玲くんのことで頭が詰まっちゃった……。


「ふふっ、ごめんごめん〜」

「……じゃあ次はオレだな」

「うん!」

れんちゃんの恋愛は、ちょっぴり意外かも。

「……オレは琳堂芽衣っていう、同級生と付き合ってて」

「うんうん」

カッコいい名前だなぁ。

玲くんも龍神さんも、みんなみんなとっても素敵なお名前。

「ぁー……えっと……」

困ってる?

「あ、じゃあじゃあ、いつ知り合ったの?」

そう質問をする。

そして雪奈ちゃん同様、れんちゃんも珍しく頬を赤らめる。

「中学の時だなぁー。なんかおんなに絡まれてて、助けたら、ストーカーされるようになって」

「「え?」」

私と雪奈ちゃんの声が思わず漏れる。

「それで、『どーせなら正面から来い』みたいなこと言ったら告られた」

「「う、嘘……」」

す、すごいなぁ……。

れんちゃんイケメンすぎるし……。

その台詞を言っているれんちゃんの想像が鮮明に浮かぶ。

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