🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「まぁ、さすがに急には無理だって言って、連絡先交換ーとかしてそのまま仲良くなっていった感じ」

「お、お〜!!」

そうなんだぁ。

「あ、じゃあじゃあ、ふたりともちゅーはいつした?」

「「っ!?」」

そう言ったら2人はあからさまに態度を悪くした。

「お、お前なぁっ、そういうのはっ……」

「ふたりとも照れてるの?」

「ちがうわよ!!」

ふたりともそっぽむいているけれど、耳まで真っ赤っかだ。

「……そっかぁ」

2人とも、両思いさんで、羨ましいなぁ。

そういえば、私たちに、『愛』ってあるのかな?

玲くんは私のこと好き、とか、いっぱい言ってくれるけど、きっと血のためだよね。

今日、助けてもらった———

「……ひゆ?どうした?」

「っ……」

「ひゆ?」

ふたりが私のことを心配してこちらを見てくれるけれど、いま私は自分自身がどうなっているのかわからない。ただただ、苦しい。

「ふー……ふー……」

「おい、息が荒いぞ?なぁひゆ、本当に大丈——」

「ひゆ!!!!!」

急に部屋のドアが開いて、玲くんが私のことを抱きしめる。

「ひゆ……大丈夫……?」

「ふー……ふー……」

「息苦しいの?」

玲くんがなにを言ってるかはわからないけれど、ただただいまは『玲くんの血が欲しい』

「……」

そう思うと玲くんは私の首筋をカブッと噛んで、血をジュージューと吸う。

「はぁっはぁっ……」

苦しさはなくなり、私の身体から力が抜けていく。

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