🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「ふふっ、どうしちゃったの?」

「な、なんかねっ……玲くんが、ぎゅっしたり、してくれるのは、嬉しいんだけど……顔見られたり、なにか言われただけでも、ドキドキして、胸が、きゅうってなっちゃうのっ……私、病気かな……?」
 
顔を覆うのをやめたひゆは、少しうるんだ目で僕をじっと見つめる。

なにそれ、可愛いっ……。

じゃあひーちゃんは僕のこと好きなの?

そう聞きたいけど、あえて、聞かないようにした。

「ふふふっ、病気じゃないよ」

あとちょっと頑張れば、ひゆは僕のこと、本気で好きになってくれるよね?恋人として。

そしたら、ひゆも僕に依存させてあげる。

そう思いを込めて、ちゅっとひゆのおでこにキスをする。

「っ……れ、玲くんっ……私の心臓、やっぱいおかしいよぉ……」

「おかしくないよ?触ってあげようか?」

「やめなさい変態エロ吸血鬼が。ほらひゆ、こっちおいで」

「ちぇ〜」

ひゆは雪奈先輩へ抱きつく。

あれを、僕にもいつか当たり前にしてくれる……。

そう考えるとっ……尊すぎて、胸が張り裂けそうになる……。

「ひゆ、アイツは腹黒吸血鬼なの、その上にど変態なんだから、気をつけなさい?」

「?、わ、わかった!」


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