🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
ひゆはなにしてても可愛いなぁ〜。

「僕が変態になっちゃうのはひゆが可愛いからですよ〜」

「うるっさいわね。でも……よかったわ、ひゆが元に戻って」

「?、う、うん……?あ、そういえば、れんちゃん——」

その瞬間、ガチャンとドアが開き、入ってきたのは———

「……俺の恋と仲良いって、キミたち?」

「「「……え?」」」

僕たち3人はそろえて疑問の声を出す。

「おい芽衣!!なにやってんだよ」

「あ、恋〜❤︎」

急に入ってきたと思えば、恋先輩にデレデレになってる。

多分、コイツが恋先輩の彼氏、人狼のヤツだろう。

いまは蒼葉のことがあったから人狼には会いたくなかった……。

そんな気持ち持ちながら、ひゆのことをひょいと持ち上げて、ガラッと窓を開けた。

っ!?

窓を開けた瞬間、嫌な気配がしてきた。

「?、玲、くんっ……?」

「……ひゆ、ちょっとつかまっててね」

そう言い、ひゆをしっかりとお姫様抱っこをしながら2階から飛び降りる。

「へっ?きゃぁっ……!?」

庭に着地し、そのまま車に乗り込む。

「玲様、やはり」

「うん。いいから車出して?」

執事にそう言い車を出してもらう。

あれは、吸血鬼……。

窓から見えたのは、紛れもない吸血鬼だった。

やはり、ひゆの血が……。

ひゆの血が、まさかこれほどに濃いとは思っていなかったけれど、やっぱり狙うヤツは出てきてしまうということだ。


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