🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
「……とにかく、北条のヤツらには気をつけて」

「わかった。血を狙ってる訳ではないの?」

「いや、まだそれについてはわからない。」

「……そっか。とりあえず、ひゆの家族も保護しておいて正解だったな。ありがと、蓮教えてくれて」

珍しく僕は蓮にお礼を言って、自分の部屋に入った。

ガチャン!キィィィ。

「……っ……こ、ここが、玲くんのお部屋……?」

「そうだよ」

無駄に高い部屋。

これでもかというほどに大きいベッドに、窓やドア。

クローゼットは、一般的なリビングの3倍くらいのスペースがついているし、風呂やキッチンまでもついている。

「お、おうちじゃあなくて……?」

「うん?そうだけど」

「す、すごい、ねっ……」

ひゆは可愛いお目目を丸くしている。

「あっ、腕、つ、疲れてるよね?お、落としていいよ?!」

「そんなこと大好きな女の子にしないよ」

そう言いながら、無駄に大きなソファの上にひゆをソッと寝転がせて、僕はひゆにおい被さる。

「れ、玲くん……!?」

「今日は、疲れちゃった」

「お、おちゅかれ……!?」

僕が急に顔を近づけたことにピクッとするひゆ。

「可愛いね。本当にひゆは唯一の癒しだよ」

「れ、れれれれ、玲く、くんっ……」

ちょっとでも動いたら、キスしちゃう近さ。

ひゆは相当な動揺をしていて、とっても可愛い。

「玲くん……い、言いたいことが、ある……の……」

「ん?」

その言葉と共に距離を離す。

するとひゆは起き上がって、僕に抱きついてきた。

「っ!?」

僕は自分でも驚くがほど動揺してしまって情けない。

「玲くん、私、玲くんのことが——」



















好き
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