🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
本当はもっといじめていたいけれど、このことも気になる。

「……?簡単なことだよ……?その人それぞれの好きな場所を突いてより共感性も増し打ち解ける」

「ひゆって腹黒さんだったの?っていうか、すごいね」

やっぱりひゆはすごいや。

「えへへっ……泉さんのところに行くまでで泉さんの召使いの人に聞いたんだ。」

「へぇ〜。ひゆは天才だね」

そう言いながらひゆの頭を撫でた。

「……そんなことないよ。」

「戦国武将詳しいんでしょ?」

「うん。基礎的な知識だけだけどね」

ひゆは本当にすごいなぁ。

「今度僕にも教えてよ」

「うん」

……地雷踏んじゃった。

「ひゆは、そうやって『僕にはない』知識があって、すごいと思うよ」

「っ……。玲くんは、意地悪だね」

そんなの、ひゆも同じなのに。

ひゆの愛らしい頬に手を当てる。

「ふふ、ごめんね地雷踏んで。」

そうやって、ひゆは成績をいいことにプレッシャーとかかけられてきたんだよね。

「ううっ……ごめんなさい……」

「?いいんだよ?」

そう言ってひゆの頭を優しく撫でる。

「私、大好きな玲くんには、私のこと全部わかって欲しくて……でも、嫌われたくなくて中途半端な態度になっちゃうの……」

「ふふ、そんなの僕も同じだし、知ってるから」

「ううっ……玲くん……」

僕も、どれだけうざいヤツであろうがひゆには知って欲しい。

「じゃあ、本当の自分を曝け出していい代わりに、僕のことも受け入れてね」

「……!うんっ……!」

ひゆは心の底から嬉しそうな顔をして、にっこり微笑んだ。


こんな優しい恋人がいてくれて、『いま』の僕はとっても幸せ。



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