🩸狂い切ったヴァンパイア🩸
それに、吸血させてくれる人のことを“食糧”ということも、許せなかった。


元々コイツと仲良くする気なんてなかったし、むしろ関わりたくないくらいだった。


『あ!ってか!好きな人いるの?玲は』

『……なんで?』

『吸血しないなんて、好きな人でもいて、その人以外の血を吸いたくないからとしか考えられないでしょ。もしくは女嫌いか、特殊か』


コイツは吸血鬼の中でも頭がキレる方で、ずっとめんどくさかった。


『……だったら、なに』

『えー!誰?』

『言ったって知らないよ』


ひゆは僕のものなのだから。その名前も、お前なんかの口で言うことなんて許さない。


『知らなくてもいーよ。調べるから』

『調べてほしくないから言わないんだろ、じゃなくてだよ』

『あははっ、玲ったらまた言葉間違えたー!』
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