魔王に見初められて…
「お前…若の宝物、傷つけたんだって?」
「え……」
「菊野 結愛様」
「別に、傷つけてなんか……」
「若、かなりご立腹だったなぁ。
お陰で俺達に当たって大変だったんだよな……
お前のせいで!!」
男の鋭い睨み。

「━━━━━!!!?
で、でも…私は…」
樹理はビクッと震え、後ずさる。

「うるせーよ!クズが!!」
「ひっ!!」

「選べ!クズ!
俺の召使いか、コイツ等のおもちゃか」

「あんた達、何者なの……?」

「俺達は、屋城組の組員だ。
克樹様は、屋城組の若頭」

「え?あの結愛が、ヤクザの女?」
心底信じられないと言う風な、樹理の表情。

「結愛“様”だ!
クズが、呼び捨てなんてしていいと思ってんのか!?
ちなみに、結愛様は克樹様がヤクザだって知らねぇよ」
「え…なんで……」
「それより、早く選べよ!
召使いか、おもちゃか。
3、2…」
「め、召使いになります!」
「フッ…じゃあ、早速アイツ等の相手頼むよ!
め、し、つ、かい!」
先程の男達の方を見て言った。

「え?
どうして?おもちゃはなしなんじゃ……」
「はぁ?ご主人様に、口答えすんのかよ!?」
「あ…いえ……」
「早く来いよ!樹理ちゃ~ん!」
「嫌ぁぁぁぁーーーーー!!!」

「汚ねぇ、声……キモッ…!」

結局、樹理は組員達の精力処理にさせられたのだった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「━━━━━━と言うことで“見た目”はいい女なので、結構人気があります」
『ふーん。別に興味ねぇよ…。
まぁあとは、適当なとこで売ればいいし。
あとは任せる』
「はい、かしこまりました」


「はぁーほんと…冷酷な人だな………(笑)
克樹様は最低で、美しい魔王だ……」

通話を切った組員の呟きが、静かに響いていた。
< 26 / 33 >

この作品をシェア

pagetop