魔王に見初められて…
「拓史くん、私…行くよ」
「は?なんで!?」
「私のせいで、拓史くんを傷つけたくない」
「だから、大丈夫だって━━━━━━」
「大丈夫じゃないよ!?
克樹の怖さは、きっと………。
ごめんね、拓史くん。
ありがとう!その気持ちすごく嬉しいよ!」
「結愛!?」
ニコッと微笑み、家を出た結愛だった。
家の前に出ると、黒塗りの高級車が止まっていた。
助手席から、岸本が出てくる。
ドアを開けてくれ、
「結愛様、どうぞ」
と、車に乗るように促した。
「はい…」
車に乗ると、克樹が笑顔を張り付けてこちらを見ていた。
「7分42秒……」
「え?」
「岸本がここに帰ってきて、結愛が来るまでの時間。
まぁ、合格かな?」
結愛の頬に手を伸ばす、克樹。
ビクッと身体を震わせ、強ばる結愛。
その克樹の手が、宙で止まり落ちた。
「結愛…まさか、俺を捨てるの?」
「え?」
「言ったよね?俺は…結愛を、絶対に放さない」
「どう…して、本当のこと教えてくれなかったの?」
「結愛が俺から逃げるからだよ」
「それは……」
「だって、今まさに逃げようとしてたよね?
しかも…男と……」
車内に、闇が広がっていく━━━━━
凄まじい圧迫で、息苦しくなる。
「克…樹…」
「もう二度と…逃げようとしないでね?」
「でも、私……克樹のことが怖い……」
「結愛が俺から離れなければ、俺はいつもの優しい、穏やかな克樹でいられるよ?
結愛が離れなければ……」
「わかった。放れないよ?
だから……」
「わかってるよ?
俺は、結愛を甘やかしたいんだ。
大切に、大切に、囲って俺だけのモノにしたい……」
「は?なんで!?」
「私のせいで、拓史くんを傷つけたくない」
「だから、大丈夫だって━━━━━━」
「大丈夫じゃないよ!?
克樹の怖さは、きっと………。
ごめんね、拓史くん。
ありがとう!その気持ちすごく嬉しいよ!」
「結愛!?」
ニコッと微笑み、家を出た結愛だった。
家の前に出ると、黒塗りの高級車が止まっていた。
助手席から、岸本が出てくる。
ドアを開けてくれ、
「結愛様、どうぞ」
と、車に乗るように促した。
「はい…」
車に乗ると、克樹が笑顔を張り付けてこちらを見ていた。
「7分42秒……」
「え?」
「岸本がここに帰ってきて、結愛が来るまでの時間。
まぁ、合格かな?」
結愛の頬に手を伸ばす、克樹。
ビクッと身体を震わせ、強ばる結愛。
その克樹の手が、宙で止まり落ちた。
「結愛…まさか、俺を捨てるの?」
「え?」
「言ったよね?俺は…結愛を、絶対に放さない」
「どう…して、本当のこと教えてくれなかったの?」
「結愛が俺から逃げるからだよ」
「それは……」
「だって、今まさに逃げようとしてたよね?
しかも…男と……」
車内に、闇が広がっていく━━━━━
凄まじい圧迫で、息苦しくなる。
「克…樹…」
「もう二度と…逃げようとしないでね?」
「でも、私……克樹のことが怖い……」
「結愛が俺から離れなければ、俺はいつもの優しい、穏やかな克樹でいられるよ?
結愛が離れなければ……」
「わかった。放れないよ?
だから……」
「わかってるよ?
俺は、結愛を甘やかしたいんだ。
大切に、大切に、囲って俺だけのモノにしたい……」