幽霊でも君を愛する
第四章 骨が折れただけでは済まない事態へと
「・・・何か時間を持て余すと損した気分になるよな。」

「確かに、この余っている時間で執筆が進むのに・・・」

「お前はそればっかだな、他にやる事とかないのか?」

「じゃあ、蔵刃は?」

「・・・・・

 無いなっ!!」

「断言しちゃったよ。」

こうゆう潔良いところも、彼の魅力なのかもしれない。彼なら夢である『教師』になったとしても、生徒達からも慕われる、良い先生になりそうだ。
私が作家になるきっかけを作ってくれたのも、小学二年生の時、受け持っていた担任。
出版社の社員からは、「母校でセミナーを開いてみては?」なんて言われた事もあるけど、それは作家を引退した時にでも考える。
今はまず、作家としてスタートラインを踏み出したばかりだから、あまり天狗になってもいけない。天狗になって痛い目に遭うのは自分自身であり、そのしっぺ返しが何倍にも帰ってくる話はよく聞く。

「あぁあ、せめて会議がどれくらい長引くのか分かればいいけど・・・」

「分からないから待たなくちゃいけないんだよ。」
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