幽霊でも君を愛する
「・・・・・」



バキッ

外の方で、枝が折れる音がした。それと同時に、鳥が何処かへ向かって飛び去る。
・・・今の私にはもってこいな音。そう、今まさに私は・・・

『骨折り損の くたびれ儲け』



「んんんああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

もう何もかもが馬鹿らしくなり、そのまま額を机に打ち付けたまま、項垂れた。そんな私を見てクスクスと笑う生徒もいれば、同情してくれる生徒もいた。
もう何もする気にならない、今すぐこの教室から抜け出したい。もう講義を受ける気にもならない。さっきから感じる生徒達の視線が痛いけど、このショックは隠しきれない。
正直、このまま椅子を持ち上げて窓の外へ投げたい気分だ。そしてそのまま割れた窓ガラスから身を投げて・・・
うぅ・・・あの労力さえあれば、執筆活動が4分の1くらい終わらせる事ができたのに。もう帰ってこない私の余計な労力は、そのまま何処かへ虚しくも消えてしまった。
だが、会議が長引いているなんて、キャンパスライフ初めてだ。これもこれで良い体験なのかもしれないけど、今の自分にその余韻を味わう心の余裕はない。

カシャッ

「ん?」
突然真横から、カメラのシャッター音が聞こえる。・・・まぁ検討はつく、アイツだ。そういえばアイツも、この講義に出る話をしていたっけ。
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