美しい夢を君と


いつもだったら特に気にしないが、なぜか今は行った方がいい気がする




そう思って急いで階段を駆け上がると女が階段に座って膝に顔をうずめて泣いていた




もしかして美夢か?




なんで泣いているんだ?




「美夢、どうかしたのか?」





そう声をかけるとびっくりしたのか、勢いよく顔を上げてこっちを見てきた



泣いているのに美しいと思った




「優雅、何でもない」



そう言って階段を降りようとする美夢の腕を掴んだ



「なにもないのに何で泣いているんだ」


「泣いてない。ごみが入っただけ。離して」


「嘘をつけ、目が真っ赤だぞ」


「いいから離して。あんたには関係ないから」




関係ないか




でもな



「お前は鳳竜の姫だ。そして俺は総長だ。相談ぐらいしてくれ」




そういって美夢を抱きしめた
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