美しい夢を君と
「ばか息子早く起きなさい」



そう言って玲夜のおでこを軽く叩く玲ママ



「私の弟なのに死ぬなんて許さないんだから」


「玲夜、早く目を覚ませ」


みんなの目には涙が浮かんでいる



私のせいだ。私がもっと周りを見ていればこんなことにはならなかった



なのに、誰も私のことを責めない



玲ママと玲パパも「きっと美夢を守れて玲夜は安心しているよ」と言ってた



何で、何でみんな優しいの?



何で誰も責めないの?



「美夢、このことが外に漏れてる。鳳竜が知るのも時間の問題」



え?



「玲夏ちゃんどういうこと?」



「これ見て」



そう言って渡された新聞



そこには



脱獄した男が空き倉庫で銃を乱射。
その場に居合わせた男子高生が意識不明の重体。



と書かれていた



「なんで外に漏れたの?」


「おそらく人数が集まりすぎたのが原因。警察の話では近隣の倉庫から通報があったらしい。それを嗅ぎつけたマスコミが書いたのね」
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