狂ったのは?
 近くで見ると花びらとは少し色が薄いが、他の桜に比べて鮮やかに見える。私はもっと近くで桜を見ようとすると、足に何かがぶつかった。

「きゃあ‼︎」

 つまづいた拍子に悲鳴を上げて、私はそのまま地面に倒れてしまった。幸い転んだ先が舗装されていない土のままだったので、怪我をせずに済んだ。

「いった〜。何なのよ、もう」

 私は体を起こして転けた原因を見る為に足元へ視線を向ける。
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