狂ったのは?
「え、ちょっとどうしたの?」
「もしかして怒っちゃった? ごめんねー。俺たち酔ってるから……」
「冬馬」

 私はオロオロする先輩たちの言葉を無視して冬馬に視線を移す。その声は自分でもビックリするくらい低く、怒気を孕んだものだった。

「な、何だよ」

 私の様子に冬馬は肩に回していた腕を外して、私から距離を取る。そうしてもらったのは正直ありがたかった。近くにいたらビンタをするところだったから。

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