狂ったのは?
 舌打ちが気に入らないのか、冬馬は顔を真っ赤にして怒鳴りつける。そんな彼を嘲るように鼻で笑う。

「ふざけるな‼︎ お前は俺の物だ‼︎ 他の奴に渡すかよ‼︎」
「そんなことを言うくせに、私をぞんざいに扱ったのは誰? 私、あんたより優しくて素敵な人を見つけたの。彼を待っているんだから、早く帰ってよ」

 私はしっしっと犬を追い払うように冬馬に向けて手を払う。
< 82 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop