狂ったのは?
 そんな私の態度に冬馬はわなわなと怒りで体を震わせた。

「……あいつの言う通りだ」

 ボソリと呟く冬馬に私は嫌な予感がした。いつでも逃げられるように様子を伺う。

「お前は俺の物なんだ。お前が他の奴の物になるくらいなら━━」

 ふらりと私に近づく冬馬の横をすり抜けようとした。しかし、デコボコの地面は思ったように上手く走れず、すぐに冬馬に捕まりそのまま地面に押し倒された。

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