雨上がりの空を見上げたら
「翔飛に本命かぁー」

「もしかしてそれ、陽菜だったりして…」

「いやいや、ないないっ!…って、えっ!?」

聞き覚えのあるクリアボイスにびっくりして振り返ると、そこには、くすくすと笑っている翔飛がいた。

「しゅ、翔飛!?!?」

「久しぶり、陽菜」

『陽菜』と呼ぶ大好きな声にキュンと胸が疼く。…って、そうじゃなくて!!

「な、なんで…!?」

翔飛は確か上のクラスだったはず。

あ、一応紹介しておくと、私の高校は、1年次から、学力別にコースが別れていて、

標準コース、進学コース、となっている。

標準コースが4クラス、進学コースが2クラスで、計6クラスあるんだけど、

進学コースの中でも、特に優秀な人たちだけを集めた、特進クラスっていうのがあって、翔飛はそのクラスなんだ。

だから、標準コースの私たちとは棟が違うはずなんだけど…




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