雨上がりの空を見上げたら
「私は全力で応援するまでっ!」
チクチク痛い胸に気づかないフリをして、わざと明るく言った。
「手とか繋いじゃうかもよ?」
あー、繋ぎたいのね。
「いいんじゃないっ?」
可愛い結奈と繋げるなんて、さぞかし幸せなことでしょうよ。
「陽菜はホントにそれでいいのー?」
「別に?私に関係ないし」
「ふーん、そっか…」
あ、駄目だ私。どうしても、結奈に対して黒い感情が出てしまう。
「上手くいかないでほしい」なんて、そんなの思っちゃいけないのに…
「宮崎陽菜さんってこのクラス?」
その時、廊下付近から私を呼ぶ声がした。
ドアの方に目を向けると、そこには見知らぬ男子生徒の姿があった。