雨上がりの空を見上げたら
それでもまだ耐えられたんだ。精神的に苦しかったけど、そこで折れたら彼女たちの思うつぼだから。結奈も味方でいてくれたから、怖くなかった。
でも、とうとう耐えられなくなってしまうような絶望的な出来事が起きた。
ある日の放課後、HRが終わって帰り支度をしていた時のこと。
私の席に、嫌がらせをしていた数人のうちの1人、如月夢芽がやってきて言った。
「ねーねー、宮崎さんのせいでさ、翔飛くんエースから外されちゃったんだよねー」
「え…?」
当時サッカー部に所属していた翔飛は、何がなんでもエースの座を奪われたくないと言っていた。
「普段は喧嘩ばっかしてる母さんたちがさ、俺がエースとして試合に出てたりすると、すっげー嬉しそうに笑うんだ。その時だけは、二人とも笑顔になんの。だから俺は、この10番を誰にも譲らない。陽菜も応援しててよ。1番側で見てて。」
以前理由を聞いた時、そういって少し照れくさそうに、でも眩しく笑っていた彼の顔が浮かぶ。
そんな彼がエースから外されるなんて、今までの翔飛の努力が無駄になってしまう。
「宮崎さんがさっさと翔飛くんと別れてくれてたら、こんなことにならなかったのにね?」
その一言で察した。夢芽の親は、スポーツ業界で働いている。
恐らく、夢芽が頼んで、翔飛をエースから外してもらったのだろう。
でも、とうとう耐えられなくなってしまうような絶望的な出来事が起きた。
ある日の放課後、HRが終わって帰り支度をしていた時のこと。
私の席に、嫌がらせをしていた数人のうちの1人、如月夢芽がやってきて言った。
「ねーねー、宮崎さんのせいでさ、翔飛くんエースから外されちゃったんだよねー」
「え…?」
当時サッカー部に所属していた翔飛は、何がなんでもエースの座を奪われたくないと言っていた。
「普段は喧嘩ばっかしてる母さんたちがさ、俺がエースとして試合に出てたりすると、すっげー嬉しそうに笑うんだ。その時だけは、二人とも笑顔になんの。だから俺は、この10番を誰にも譲らない。陽菜も応援しててよ。1番側で見てて。」
以前理由を聞いた時、そういって少し照れくさそうに、でも眩しく笑っていた彼の顔が浮かぶ。
そんな彼がエースから外されるなんて、今までの翔飛の努力が無駄になってしまう。
「宮崎さんがさっさと翔飛くんと別れてくれてたら、こんなことにならなかったのにね?」
その一言で察した。夢芽の親は、スポーツ業界で働いている。
恐らく、夢芽が頼んで、翔飛をエースから外してもらったのだろう。