雨上がりの空を見上げたら
「翔飛は、どうしていつもそんなに余裕なの…?」
は!?余裕なわけねーじゃん、むしろ、毎日余裕なんかねーんだけど…
「毎回ドキドキしてるのは私だけじゃん。翔飛は?ドキドキしてくれないの?」
コイツ、さっきから何言ってるんだ!?
ドキドキどころか、もう半分死にかけてるんですが…
今だって涙目で上目遣いなんかされて、ただでさえ心臓がうるさくてヤバいっていうのに!
自分の破壊力の強さ、ちゃんと分かってんの?
「それに最近は好きって言ってくれないよね…キ、キスだって、付き合いたての頃はあんなに沢山してくれたのに、今は全然してくれない、し…っ!?」
最後まで言わせずに、俺は陽菜を抱きしめた。マジホント、可愛すぎな?
「へーえ、俺が必死で我慢してるっていうのに、陽菜はそんなこと言うんだ?」
「えっ?」
「俺に余裕があるとでも思う?今だって、いちいち心臓がうるさくてヤバいんだけど?」