雨上がりの空を見上げたら

「宮崎さん、マジ生きてる価値なし?」

「それは言い過ぎーww」

言い返せなくて悔しいのと、私のせいで彼がエースを外されたという事実にただ俯くことしか出来ない。

「あ、でも、もし宮崎さんが翔飛くんと別れてくれるなら、エースの件、取り消してあげる☆」

夢芽のその一言に、思わず顔を上げる。

「ホントに?」

「嘘ついてどうすんのw まぁ私、優しいし?」

「宮崎さんラッキーチャンスじゃん、どうするのー?」

「まさか、ここまで来て別れないとか言わないよね?」

「もし別れないって言うなら、翔飛くんはそのままエースから外されちゃうよ?
二兎を追う者一兎をも得ずって言うじゃん」

答えなんて、言われなくても決まっている。

私と付き合うことで、翔飛から大事なものを奪ってしまうくらいなら、

私が我慢して離れる方が何倍もいい。

辛くても、苦しくても、翔飛の笑顔を守れるなら、、、

私は迷わず自分の気持ちに鍵をかける。
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