雨上がりの空を見上げたら
だけど、私と一緒にいたら、翔飛から大事なものを奪ってしまうことになるから…
「だ、だから、もう一切私に関わらないで!皆に勘違いされるの嫌だし、好きじゃ、ないから…」
私は一方的にまくし立てると、くるっと踵を返して駆け出した。
走って走って、、、人通りのないところまで行ってから、後ろを振り返る。
当たり前だけど、翔飛は追いかけて来なかった。
バカだよね、あんなこと言っておいて、彼に私を見つけて欲しい、
抱きしめて涙を止めて欲しいって、そう思ってしまうなんて…
いつも翔飛が止めてくれていた涙は、次々と溢れて、止まることを知らない。
「ごめんね、大好き、でした…」
そんなことがあってから、私は人を好きになるのをやめた。
もう、誰も傷つけないって、そう決めたから。