【受賞&書籍化】高嶺の花扱いされる悪役令嬢ですが、本音はめちゃくちゃ恋したい
チラリと令嬢たちを見ると、みんなバツが悪そうに縮こまっている。せっかく楽しく悪口を言っていたのに、当の本人が堂々と目の前に現われたから興ざめだ。
「あたしも、ここでお会いするとは思いませんでしたわ! ジステッド公爵令嬢ともあろう者がエスコート役もなく一人で町をぶらぶらだなんて、レイノルド様と喧嘩でもなさったのかしら?」
「レイノルド様とはとても良い関係を築けておりますし、もしもわたくしがギャラリーに行くと手紙に書いたら、忙しい合間を縫ってエスコートしてくださったでしょう。そうしなかったのは、一人で確認したいことがあったからですわ」
マリアは、ネリネの後ろに連なった令嬢に視線を向けた。
「最近、わたくしを面白おかしい異名で呼ぶ輩がいるそうですわね。貴族のご夫人たちに話をうかがったら、ここのギャラリーで開かれる令嬢サロンから広まったと分かりましたの。皆さま困っておいででしたわ。娘が口さがなくて恥ずかしいと」
「あたしも、ここでお会いするとは思いませんでしたわ! ジステッド公爵令嬢ともあろう者がエスコート役もなく一人で町をぶらぶらだなんて、レイノルド様と喧嘩でもなさったのかしら?」
「レイノルド様とはとても良い関係を築けておりますし、もしもわたくしがギャラリーに行くと手紙に書いたら、忙しい合間を縫ってエスコートしてくださったでしょう。そうしなかったのは、一人で確認したいことがあったからですわ」
マリアは、ネリネの後ろに連なった令嬢に視線を向けた。
「最近、わたくしを面白おかしい異名で呼ぶ輩がいるそうですわね。貴族のご夫人たちに話をうかがったら、ここのギャラリーで開かれる令嬢サロンから広まったと分かりましたの。皆さま困っておいででしたわ。娘が口さがなくて恥ずかしいと」